3月5日、やすくに活世塾の修了式。
修了式に先立って、塾生代表の10名が1年間で何を学び、これから自分が何をなし得るのかについて、5分づつ発表。
トップバッターは、道場の門弟でもある新成人の大学生。
彼は中学生の頃から靖国神社の行事に参加している早熟な若者だが、着実に成長している様子が窺えて、嬉しい。
2番目は、明るく快活な女性。
昨年の参議院に大阪の選挙区から立候補し、落選はしたものの、大きな組織のバックもなく、急な出馬だったにも拘わらず、5万票以上を獲得して、地元の人々を驚かせた。
今後も政治家を目指すという。
3番目は、人材育成などを手掛ける会社の社員で、学んだポイント、今後の国家的な短期、長期のビジョン、そのビジョンを実現する為に自分が現在の持ち場で何が出来るのかを、要領よく、かつ具体的に語った。
4番目は女性編集者。雑誌の編集や記事の執筆を通して、人々が自然な形で靖国神社に関心が持てるよう、その手前の道を整えたい、と静かに述べた。
決して雄弁ではないが、心の奥まで届くような語り口。
実は彼女の雑誌に、私も1年余り連載を持っているが、つい前日、4枚の原稿を送り、難し過ぎるというので3枚、書き直しをさせられたばかり。
頼もしい。
5番目は、県庁の職員で「あさなぎ」の中核メンバーだった一人。
このたび40歳の定年で卒業した。
3児の父親で安定感のある男だ。
6番目は、現役の幹部自衛官。
ほどなく中隊長に任命されるという。
戦闘力には有形と無形のものがあることを述べ、無形の戦闘力の大切さを力説していた。
7番目は、実にバランス感覚に富み、エレガントなOL。
アメリカにも留学していた。
「日本を学ぶことの重要性を自覚した」とキッパリ。
8番目は新聞記者。
大阪大学から東大の大学院に進み、文化人類学を修め、マスコミの世界に身を投じた。
傍目には、羨ましいようなエリートコースに映るが、東大の強烈な左翼体質に弾き出されるようにして、心ならずも学問の世界を離れ、今も新聞社の編集部の内部や上層部の左翼偏向と懸命に対峙していると、苦衷を述べた。
しかし、彼は東大で、戦後初めて神道のサークルを立ち上げており(東大には戦前、神道の講座もあったが、戦後一貫してタブー視されてきた)、このサークルは彼が大学を離れてからも、活発に活動を続けている。
更に彼が関わっている紙面を見ると、はっきり彼の努力の跡を窺うことが出来る。
9番目は、小学校の先生。
朴訥なタイプで、子供達に好かれそう。
学校にある自虐的な教材は、不適切と判断してじゃんじゃん捨てているとか、平然と喋る。
思わず笑ってしまった。
彼は行動力があって、先日も同僚の教師7人を靖国神社に連れて来て、一緒に参拝した後、遊就館も見て回ったようだ。
最後は塾生中、1番若い大学1年の女の子。
この1年で見違えるくらい成長した。
彼女の家庭は、新聞は産経、雑誌はサピオという感じで、いわゆる「保守」系の考え方が当たり前と思って育って来たが、「なぜ私は日本を大切だと思うのか」改めて自分で考えなくてはならないことに気付いたと、落ち着いて述べた。
彼らの発表を聞き、その態度を見ると、塾での1年は無駄ではなかったようだ。
修了式では靖国神社崇敬奉賛会の扇千景会長の代理で、中條高徳副会長が修了証を授与。
来賓で来てくれた、私もよく知っている若手の実業家が、祝辞の中でこんな話をした。
どんなに理論武装して、理屈を捏ね回しても、その人物が明るく、幸せそうで、格好がよく、羨ましがられるくらいでないと、普通の若者は耳を傾けてくれない、この人と一緒にいると楽しそうだとか、何かいいことがありそうだと思わせるものがないと、人は集まって来ないし、影響力も持てない、と。
懇親会では40名ほどの修了者の全員と言葉を交わした。
毎月、鳥取県から遥々参加してくれた公務員、超多忙の中を懸命に出席していた国会議員秘書、毎回長文のレポートを提出した最大手の新聞社員など、多彩有為の人材が集まってくれた。
「靖国神社の次代を担う精鋭を育てる」ことを主眼に設立された、やすくに活世塾の第1期生を、こうして送り出すことが出来た。
一人一人のを善戦敢闘を祈る!